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教室紹介

研究紹介RESEACH

内分泌・代謝研究室

骨代謝と、動脈硬化や心血管リモデリングの病態解明および新規治療法の開発をテーマとし研究を行っています。基礎研究のみならず臨床研究も実施し、“From bench to bedside”すなわち基礎研究で得られた研究成果を臨床に反映させることを最終目標として取り組んでいます。

主な研究成果

1. カルシウム感知受容体(CaSR)変異による常染色体優性低Ca血症(ADH)におけるcalcilyticsの治療応用

ADHはCaSRの活性型変異のためPTH分泌低下による副甲状腺機能低下症を起こします。
治療は対症療法として活性型ビタミンD投与を行いますが、しばしば尿路結石や腎不全が問題となります。
我々は、CaSRのアロステリックモジュレーターであるcalcilyticsに注目しin vitroの系で治療に有望であるとの結果を得ました。
また、我々はCaSR活性型変異マウスを作出し、低Ca血症、高P血症、高Ca尿症などヒトのADHの表現型再現モデルであることを確認しました。
このCaSR活性型変異マウスに対してcalcilyticsの長期投与を行ったところ、骨カルシウム代謝の劇的な改善とPTHによる治療に比較して腎石灰化が起こらないことから、calcilyticsがADHの根本治療として有用であると考えています。

2. 力学的負荷における骨形成機序の解析、骨形成低下症病態解析

我々はこれまでに力学的負荷は骨においてAP1ファミリーの構成要素であるΔFosBの誘導を介してインターロイキン(IL)-11の発現をAP-1依存的に促進することを見出しています。
とくにIL-11は、骨における力学的負荷の応答としてkey moleculeであると考えています。
また、骨髄細胞におけるIL-11産生低下は老人性骨粗鬆症の主たる原因であり、ステロイド骨粗鬆症の際にもIL-11誘導の低下が病態のひとつであることも明らかにしてきました。
そのようなIL-11の骨における生理的な意義を検討するためにIL-11遺伝子欠損(KO)マウスを作出し、IL-11が力学的負荷依存性に骨量維持に必要であることを証明しました。
このIL-11の骨形成促進作用はWntシグナルの活性化にあり、その詳細な検討が不動やステロイド性骨粗鬆症の病態理解に繋がるものと考えています。
また、IL-11は骨髄間質細胞の脂肪細胞分化を抑制し、骨芽細胞分化を促進するサイトカインでもあります。
IL-11KOマウスは皮下および内臓脂肪の増加を呈しており、骨髄間質細胞の分化について組織特異的IL-11KOマウスを用いてさらに詳細な解析を行っています。

3. 生活習慣病の病態基盤におけるトロンビンおよびヘパリンコファクターIIの意義に関する研究

ヘパリンコファクターII(HCII)の臨床的意義ならびに抗動脈硬化作用
我々は、HCII活性が冠動脈ステント留置後の再狭窄や頸動脈硬化症の発症に関与していること、末梢閉塞性動脈硬化症患者ではHCII活性が有意に低下していることを初めて報告しました。
またHCIIノックアウトマウスの解析より、HCIIが粥状硬化プラークの増生に関与することを明らかにしました。

心筋リモデリングにおけるヘパリンコファクターIIの意義
マウスモデルにて、HCIIは酸化ストレス産生抑制作用を介して、レニン・アンジオテンシン系の活性化による心筋リモデリングを抑制することを明らかにしました。
さらに臨床研究で、高齢者の左心房容積と血漿HCII活性が逆相関することを見出し、ヒトにおいてもHCIIが心房リモデリングに深く関与していることを明らかにしました。

トロンビン受容体シグナルを介したインスリン抵抗性発現機構
糖尿病モデルマウスに抗トロンビン薬であるアルガトロバンを投与したところ、インスリン抵抗性の改善と、脂肪細胞サイズの縮小や脂肪組織へのマクロファージ浸潤と炎症性サイトカインの減少を認め、トロンビン作用による脂肪細胞での炎症がインスリン抵抗性ならびに糖尿病発症に関与している可能性を見出しました。

4. 心血管病におけるアンドロゲン受容体の意義に関する研究:アンドロゲン受容体の心血管ストレスに対する防御機構の分子生物学的解析

心血管リモデリングにおけるアンドロゲン受容体の役割
アンドロゲン受容体ノックアウトマウスを用いて、アンドロゲン-アンドロゲン受容体システムが生理的な心臓成長に関与すること、アンジオテンシンII負荷に対する代償的心リモデリングや血管リモデリングに重要な役割を担っていること、酸化ストレス制御やミトコンドリア機能保持ならびに心臓アポトーシス制御を介して心機能維持に作用していることを明らかにしました。

血管新生および虚血におけるアンドロゲン受容体の役割
アンドロゲン受容体が、虚血ストレスに対する血管新生作用と虚血組織でのアポトーシス抑制作用に関与することを明らかにしました。さらにアンドロゲン受容体シグナルと血管新生に重要であるVEGFシグナルとのクロストールについても明らかにしました。

副腎アンドロゲンの抗動脈硬化作用
臨床研究にて、副腎アンドロゲンであるDHEASは頚動脈硬化の抑制因子として寄与しており、その効果には性差が存在することを明らかにしました。

5. 心血管リモデリングにおけるエイコサペント酸エチルの効果に関する研究

6. スタチンの心血管病予防における新しい多面的効果の解明

7. グルココルチコイド過剰状態における血管内皮機能障害機序の解明厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業特発性大腿骨頭壊死症調査研究班

8. 血管内皮細胞の活性化機構や血管内皮機能制御因子における基礎的および臨床的解析